【進撃の巨人】 never ending dream R18
第27章 永久に碧く~願い~
急いで駆け寄る私の顔を見るなり、弟は恥ずかしそうな笑みを浮かべた。
ブリキ製の水差しを持つ弟の手を、私は力いっぱい握り締める。
いつの間にか自分よりも大きくなっていた弟に、私の瞳からは大粒の涙がこぼれた。
「…姉さん、何泣いてるんだよ。」
呆れたようなその声も、3年前とはあきらかに違う。
すっかりと大人びてしまった弟に、私はどこか母親にも似た感情を抱いてしまったのだと思う。
「トージ、ただいま。」
「うん。おかえり。」
「泣かなくてもいいだろ?」と、弟は笑い続ける。
いつも泣いてばかりだった弟。
そんな弟になだめられる日が来るなんてと、私の瞳からは涙がとめどなく溢れた。
「姉さん、最後に会えて良かったよ。」
弟の言葉を、私は一瞬理解する事が出来なかった。
“最後”
私は…
また弟と、この調査兵団本部で共に生活が出来る。
これからは、弟の成長を間近で見守る事が出来る。
そんな事を思っていたのだ。