【進撃の巨人】 never ending dream R18
第27章 永久に碧く~願い~
私達新兵は、夜に行われる新兵歓迎式までの間、各棟の大部屋で待機するよう命じられていた。
それなのに、私は一体何をしているのだろう…。
生まれ育った我が家へ帰って来たような感覚からか、心が浮ついてしまっていたのかもしれない。
それでも…
父と話がしたかった。
そんな娘としての想いは、もうここでは封印しなければいけないのだろうか。
父から手渡された始末書を握り締めながら、私は兵舎へと続く渡り廊下を歩いた。
ふと、中庭の花壇の前に立つ後ろ姿が目に入った。
いつもクレアが手入れをしていた花壇。
そこには3年前と変わらず、色とりどりの花が咲き誇り、秋の風にそっと揺れていた。
そんな花達を優しく愛でる1人の少年。
その後ろ姿に、言葉では表せぬ愛しさが込み上げた。
「トージ!!」
そう叫ぶ私に気付き、振り返った弟は、3年前の幼い笑顔からは想像出来ぬほど、父によく似た少年へと成長していた。