【進撃の巨人】 never ending dream R18
第27章 永久に碧く~願い~
「失礼します。」
3年振りに入る団長室は、キースがいた頃と変わらず、正面には大きな机が置かれていた。
その机に向かいながら、父は手元の書類に目を通している最中だった。
口を固く結び、まるで仮面を被ったような無表情の父。
変わらない父の姿に、私の顔からは思わず笑みがこぼれる。
しかし、父はそんな私の顔を一瞬チラリと見ると、すぐさま手元の書類へと視線を戻してしまった。
「ここは団長室だ。
新兵が一体何の用だ?」
父は低く抑揚のない声でそう言うと、机の引き出しから1枚の書類を取り出した。
「始末書だ。
新兵は兵員宿舎で待機との命を下したはずだ。
お前は一体ここで何をしている?
規律を乱すな。」
始末書を受け取る私に、父は「早く出ていきなさい。」と言った。
私はそのまま「申し訳ありません。」と、団長室を後にした。
きっと私は…何か勘違いをしていたのだと思う。
モーゼスとの関係が“友達”から“上官と部下”に変わったように、私達はもう娘と父ではなく、“団長”と“部下”の関係になってしまったのだ。