【進撃の巨人】 never ending dream R18
第27章 永久に碧く~願い~
モーゼスと別れた私は、女子棟の部屋へ戻る事なく、父がいるであろう団長室へと向かった。
3年前のあの日。
“お前にはもう、自分の“生き方”を選択し、実現するだけの力が備わっているはずだ。”
そういって私を送り出してくれた父。
私が「ただいま。」と、一番に伝えたかった相手は、他の誰でもない調査兵団団長である父だった。
兵舎と兵団本部を繋ぐ渡り廊下を歩き、団長室の前へとやって来た。
3年間、会う事はおろか、手紙のやり取りすらしていなかった父。
私と父の時間は、3年前のあの日から止まったままだったのだ。
コンコンコンとドアをノックする。
しばらくして、中から「入りなさい。」と父の声が聞こえた。
その声に、私の胸はトクントクンと鼓動を早める。
3年経った今、父に甘える事はもう不可能だが、こうして兵士となって戻って来た自分を見て、「おかえり。」と言葉をかけて欲しかった。