【進撃の巨人】 never ending dream R18
第27章 永久に碧く~願い~
「クレア、ただいま。」
そうつぶやいてみても、ここにクレアはいない。
“あんたの顔なんか二度と見たくないから、絶対にここへ帰って来るんじゃないよ。”
そう言っていたメラニーにも、もう二度と会う事は出来ない。
毎日通った団長室。
今そこは居るのは、大好きだったキースではなく、仮面を被ったような無表情の父だ。
切なくも懐かしい調査兵団本部。
この3年の間に、ここはずいぶんと変わってしまったのだと、向かい側にある男子棟を眺めながら私は思った。
ふと、男子棟の2階の廊下からこちらを見つめている兵士の姿に気が付いた。
兵服姿の背の高い金髪の男。
その男は廊下の窓を開け、私に向かって軽く手を挙げる。
その瞬間、私の顔からは自分でも驚いてしまうほどの笑みがこぼれた。
「モーゼス!!」
3年間、毎月欠かす事なく手紙を送ってくれたモーゼス。
3年振りに会ったモーゼスは、落ち着いた大人の雰囲気をまとった男性になっていた。