【進撃の巨人】 never ending dream R18
第27章 永久に碧く~願い~
3年振りに帰った調査兵団本部は、初めて父に連れて来られたあの日のように、何とも言えぬ独特の空気をかもし出していた。
しかし、その独特の空気が私にとってはとても懐かしく、緊張した面持ちの新兵達とは違い、私は生まれ育った我が家へ戻ってきたという気持ちの方が大きかった。
「調査兵団の資料室には、私達がまだ知らない巨人に関しての書物があるって話だ。
楽しみだなぁ~。」
相変わらずハンジの興味は巨人の生態へと注がれていたが、こうしてまたハンジやミケと共に生活出来る事が純粋に嬉しかった。
これから私達が生活をする兵員宿舎。
クレアとメラニーの3人で暮らしていた部屋とは違い、新兵が詰め込まれるのは1階にあるの大部屋だった。
狭い土地を有効に使うために建てられたコの字型の兵舎。
向かい合う女子棟と男子棟の間に、私が10歳まで過ごしていた幹部棟がある。
目に留まるもの全てが、私にとっては懐かしく…そしてどこか切ない。
私は女子棟の廊下の窓から顔を出し、しばしの間、辺りの風景に胸を熱くさせた。