【進撃の巨人】 never ending dream R18
第8章 出会い~真実~
「さぁ…話してもらおうか。
その首の傷は、一体どういう事だ?」
カーテンを開けるサラの後ろ姿に、キースは問いかける。
サラとキースは、団長室にいた。
「話がある。」
そう声をかけ、団長室へと向かったのはキースの方だった。
窓の外に広がる見事な夕映えを見つめながら、サラは答える。
「ニコラス・ロブォフですよ。
彼がリヴァイ達に依頼したんです。
私が持っている、ロブォフの横領に関する証拠書類を奪う事を。
そして…私を殺す事を。」
「なぜそれを言わなかった!?
お前は自分のやった事が分かっているのか!?
お前は奴等に、殺されていたかもしれないのだぞ!?」
キースの声は怒りで震えていた。
「私が全てをお話ししても、あなたは彼等の調査兵団入団を認めてくださいましたか?
ましてや、壁外調査への投入に賛成してくださいましたか?
彼等は…リヴァイの力は本物です。
現に彼はあの雷雨の中、仲間が食い殺される姿を目の当たりにしても、巨人に屈する事なく、奇行種の群れを倒しました。
たった1人でです。
私は、自分の命よりも…彼の能力を優先すべきであると判断しました。
キース団長…あなたもご覧になったはずでしょう?
彼の力を…。」
サラは厳しい口調でキースを問いただした。
キースは壁際のソファーに腰を下ろし、頭を抱える。
黙り込むキースに、サラは続けた。
「キース団長…。
ご心配をおかけして申し訳ございませんでした。
ただ…こうするしか方法がなかったんです。」
キースは大きくため息をつく。
「…お前が団長就任を保留にし、私を壁外調査へ連れて行った訳はそれだったんだな。」
「はい。
2回も続けて、壁外調査で“団長”が死ぬ訳にはいかないですから。」
そう話すサラの声は、優しく穏やかだった。