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【進撃の巨人】 never ending dream R18

第26章 永久に碧く~守りたい~●


微睡みはじめた意識の中、再び姿を現したクレアにサラは出会う。



色とりどりの花が咲く中庭の花壇の前。

腰まである艶やかな栗色の髪が、風に優しく揺れている。

夢の中、先ほどよりもはっきりとしたその後ろ姿に声を掛けようと近付いた…その時だった。



“サラちゃん、ごめんね。”



クレアがそうつぶやきながら振り返った。



涙に顔を濡らすクレア。



“サラちゃん、ごめんね。
…本当にごめんね。”



そう、謝り続けるクレアに驚き、サラは後ずさる。



“サラちゃん、ごめんね。

あの時、本当はね………”



大粒の涙をこぼし、クレアがそう言いかけた瞬間…まるで突風に飛ばされたかのように情景が変わり、気が付くと夢の中のサラはクローゼットの中にいた。



窓の締め切られた蒸し暑い部屋のクローゼットの中。

外からはかすかに鳥の鳴き声が聞こえている。



そこは、サラが5歳から10歳までの5年間を過ごした、父親であるエルヴィンの部屋だった。



ふと、部屋の中から、ギシギシと何かが軋む音が聞こえた。

嫌な予感に、サラの身体からはジワリと汗が滲み出し、生暖かい粒が、背中をはうようにして下へと落ちる。



思わず顔を背けたくなった、あの15年前の光景が脳裏に浮かぶ。



サラは恐る恐るクローゼットの隙間から部屋の中をのぞき見た。



そこにあったのは、ベッドの上、乱れたシーツの波間で抱き合うクレアとエルヴィンの姿だった。



大きく開いたクレアの脚の間へと、エルヴィンの腰が深く沈む。

甘いため息を吐きながら、互いの身体をきつく抱き締め合い、濃厚に絡み合う2人の姿。



あの日見た光景…。



ドクンドクンと大きな音を鳴らし続けるサラの心臓。



夢の中、あの15年前の光景を見つめるサラの頬を、一筋の涙が伝っていた。




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