【進撃の巨人】 never ending dream R18
第26章 永久に碧く~守りたい~●
スースーと胸の上で寝息を立てるリヴァイを起こさぬよう、サラは床に脱ぎ捨てられたシャツを拾い、そっと背中に掛ける。
汗がひいたリヴァイの肩からは熱が奪われ、先ほどまでの火照った肌が嘘のようにひんやりと冷たくなっていた。
風邪を引いてはいけないと、サラはリヴァイの肩を包み込むように抱き締める。
本当であれば早く服を着せ、古城へと帰すべきなのだろう。
しかし、穏やかな眠りの世界へ落ちたリヴァイを、この残酷な世界に呼び起こす事はしたくなかった。
今回の壁外調査では、特別作戦班…通称リヴァイ班の兵士を全て失った。
グンタ、オルオ、ペトラ…そしてエルド。
リヴァイにとっては、特別作戦班発足時から常に行動を共にしてきたかけがえのない部下であり、仲間であり家族。
壁外へ出る以上、多大な犠牲は覚悟の上…サラ同様、リヴァイもそう心では折り合いがついているはずだ。
しかし、リヴァイの“魂”は残酷な現実に悲鳴を上げているのだろう。
だからこそ古城へは帰らず、こうしてサラのもとを訪れ、肌の温もりを求めたのだろう。
本当は“抱きに来た”のではなく“抱かれに来た”んだろ?
胸で眠るリヴァイの髪を、サラはそっとひと撫でし、柔らかに微笑んだ。
スースーと小さく聞こえるリヴァイの寝息に重ね合わせるように呼吸をする。
サラもまた、徐々に穏やかな眠りの世界へと落ちていった。