【進撃の巨人】 never ending dream R18
第26章 永久に碧く~守りたい~●
「…そうか。」とつぶやくミケは、どこか寂し気だった。
教本をめくっていた手が止まり、視線を落したまま黙り込む。
私の考えは、自分が思っていたよりも〝奇妙”なものだったに違いない。
一般家庭で育ったミケが、調査兵団という特殊な環境で育った私の考えに共感を持てないのは当然の事だろう。
ランプの炎が揺らすミケの顔を、私はじっと見つめていた。
「ねぇ、ミケ。」
「何だ?」
「君は…亡くなった母親の事を覚えているの?」
「あぁ、何となく…だが。」
「どんな人だったの?」
「庭で洗濯物を干しながら…よく歌を歌っていた。」
「どんな歌?」
「…。
〝泣かないで恋人よ…”
確か、そんな歌詞だった。」
「その歌なら、私も知ってる。
クレアが…私の母親代わりだった女性も、よく歌っていた。
私達が生まれる前の流行歌だよ。」