【進撃の巨人】 never ending dream R18
第26章 永久に碧く~守りたい~●
「…本当は、違うんだ。」
「…?」
「最初は…本当に強くなりたいと思った。
家族を…大切な人を守りたいと。
もう、誰も死なせはしないと…本気で思ったよ。
だけど…」
「…なんだ?」
「だけど…本当は、
“順番がきた”
そう、思ったんだ。」
「どういう意味だ?」
「私は、5歳の時に母さんが死んで…父さんが暮らす調査兵団本部に連れてこられた。
父さんは兵士達を私の目に触れさせたくなかったみたいだけど、毎日生活を共にしていれば、大体の事が分かってくる。
そこで生活をしているのが、“調査兵団”と呼ばれる組織である事。
“壁外調査”という壁外の探索活動を行っているという事…。
そして…ある日、私は気付いたんだ。
私が調査兵団本部で暮らすようになった数年間に、兵士達の顔ぶれが大きく変わった事に。
父さんをはじめとする大勢の兵士達が壁外へ向かう度、数日後の帰還時にはそのほとんどが戻らない。
私が12歳の時だった。
母親代わりだった女性兵士が、壁外で死んだんだ。
その時、思ったよ。
“次は自分の番なんだ。”と。
…壁外に行き、巨人と戦う。
いつしかそれが、私にとって“当たり前”の事になってしまったんだと思う。」