【進撃の巨人】 never ending dream R18
第26章 永久に碧く~守りたい~●
「ミケ…私も行きたかった。」
「駄目だ。
お前はまだ酒が飲める年じゃない。」
「飲めなくてもいいんだ。
私も酒場に行ってみたいんだ。」
「駄目だ。
それよりもお前は早く風邪を治せ。」
「風邪はもう治ったよ。」
訓練兵団に入団し、1年が過ぎた頃、3歳年上であるハンジとロイは飲酒解禁年齢を迎え、月に1度許される外出日には決まって訓練場近くの酒場へと繰り出していた。
当時まだ13歳であった私は、まだ飲めぬ酒への興味からか、自分も酒場へ行きたいと訴えたが、ミケがそれを許す事はなかった。
「どうしてミケは行かないの?」
「…俺は、酒を飲むのは好きだが、酒自体はあまり好きじゃない。」
「何それ…。
意味が分からないよ。」
2人きりになってしまった私達は、誰もいない食堂のテーブルに手持ちランプを置き、技巧術の教本を広げながら取りとめのない会話を繰り広げていた。