【進撃の巨人】 never ending dream R18
第25章 永久に碧く~交差~
「サラ…もう少しだけ、このままでいてくれないか?」
「えぇ、君の気がすむまで付き合うよ。」
ミケの温かい大きな腕がサラを優しく抱き寄せた。
キスをするわけでもなく、2人は頬を寄せ合いながら、瞳を閉じる。
薄暗い団長室の中、2人は互いの心臓の音を感じた。
「お前は…俺の事がよく分かるんだな。」
「えぇ。」
「俺は…お前の身体だけじゃなく、“心”が欲しいんだ。」
「…。」
「しかし、お前の心はリヴァイの物だ。
そんなお前を抱く事など…俺には出来ない。」
「…そうか。」
「…お前は…頑固で泣き虫だ。」
「…え?」
「歌は上手いが、料理は下手だ。」
「…うん。」
「酒が弱く、よく風邪を引く。」
「…うん。」
「花は好きだが、すぐに枯らしてしまう。」
「…うん。」
「どうしてだろうな…
どこを探しても俺には、お前を嫌いになる理由が無いんだ。
お前の欠点ですら、こんなにも愛おしい。」
ミケはサラの長い髪を撫でると、両手で頬を包み込み、そっと右目の瞼に優しいキスをした。
そのキスに、サラは瞳を閉じたまま、穏やかな笑みをこぼす。
そんなサラを、ミケは再び抱き寄せた。
トクントクンと鼓動を打つ心臓の音が鳴り響く。
ミケの温かな腕に、サラはきつくきつく抱き締められた。
「…もし生れ変われるのなら…お前ともっと早く出会いたい。
そして、お前がリヴァイと出会わないよう、必死で邪魔をするよ。」
「“生まれ変わったら…”か。
君は…ずいぶんとロマンチストだな。」
「あぁ、お前が俺をそうさせたんだ。」