【進撃の巨人】 never ending dream R18
第25章 永久に碧く~交差~
「すまない。
少し外で頭を冷やしてくるよ。」
そう言うとミケは、名残惜しそうにサラの手を離した。
いつも冷静で柔らかな雰囲気をまとっているミケ。
そんなミケが初めて見せる“弱さ”に、サラの心は動揺していた。
「待ってよ、ミケ。」
そう呼び止めるサラの声に、今にも泣き出しそうなミケの背中が振り返る。
訓練兵時代からいつも側で支えてくれていたミケ。
そんなミケにサラが恋愛感情を持った事は一度も無かったが、かけがえのない大切な人である事に変わりはなかった。
サラは椅子から立ち上がると、ミケの横を足早に通り過ぎ、団長室のドアを内側から施錠した。
「サラ…何をしているんだ?」
ドアに向かったまま、その場を動こうとしないサラの背中へ、不思議そうに首を傾げながらミケが問い掛ける。
サラは振り返ると、真っ直ぐとした青い瞳でミケを見つめた。
「…いいよ。」
「何がだ?」
「だから…今ここでしよう。
君が…私に“したかった事”を。」
「…サラ?」
「ミケ…君の言う通りだ。
私達の命には必ず終わりが訪れる。
“永遠”など無い。
あと何回、君とこうして会う事が出来るのか…そんな事は私にだって分からない。
だから…もし、それで君の気がすむのなら…今ここでしよう。」
驚いた表情を浮かべるミケへ、サラは近付いていく。
いつもであれば、すぐさま視線をそらすミケであったが、予想だにしていなかったサラの反応に、ただ瞬きを繰り返すだけであった。
「…鍵を掛けた。誰も来ない。」
サラはミケのシャツへと手を伸ばし、上から1つずつボタンを外していく。
「…私を抱きたいんでしょ?」
そう問い掛けるサラの腰に、ミケの手がそっと触れた。
「…あぁ、抱きたいよ。」
ミケはそのままサラを抱きかかえ、壁際のソファーへと腰を下ろした。