【進撃の巨人】 never ending dream R18
第25章 永久に碧く~交差~
キースは私の顔を見るなり血相を変え、怒りに満ちた声でこう言った。
「…左利きの男だな?」
私は「違います。」と、首を横に振る。
しかし、そんな私の見え透いた嘘をキースが見逃すはずなどない。
「回復次第、お前にはここを出て行ってもらう。
エルヴィンには俺から伝えておく。
ここはお前のような者がいるべき場所ではない。」
「ザカリアス…。医務室に連れていけ。」と、キースは食堂を後にした。
戸惑う男子兵士達を横目に、ミケは再び私を抱きかかえる。
「…嫌だ。
私は調査兵になると決めたんだ…。」
そうぐずるような私の言葉に、ミケが応えることはなかった。
突き刺すような鋭い痛みがする右目からは、涙がとめどなく溢れた。
それと同時に、激しい喪失感が胸を襲った。