【進撃の巨人】 never ending dream R18
第25章 永久に碧く~交差~
朦朧とする意識の中、部屋のドアが開く音が聞こえた。
カツカツと部屋の中を進んでくる足音。
「何だよ?お前も東洋人とヤりてぇのか?」
そう、男子兵士の声がした瞬間、ドンッと勢いよく何かが倒れる音がした。
部屋の中が一瞬にしてざわつく。
「待ってくれよ。俺達は関係ない。」
「無理矢理付き合わされただけなんだ。」
そう慌てて弁解する男子兵士達の声に、何となく状況が飲み込めた。
誰かが…私を助けてくれた。
そう思った瞬間、私の身体がふわりと持ち上がる。
温かな腕。
痛みに苦しむ私の身体を包み込むような…大きな腕。
それはまるで、クレアが死んでしまったあの日、格技場で倒れていた私を抱きかかえてくれた父の腕のようだった。
「…大丈夫か?」
そう問い掛ける声に、私は意識を取り戻す。
口数は少ないが、どこか柔らかい雰囲気をまとった声。
その声に、私の瞳からは涙が溢れ出した。
「ミケ…。」
私はミケの首に必死でしがみつく。
薄っすらと開いた左目に映ったのは、顔を殴られ、床へと倒れ込む主犯格の男子兵士の姿だった。