【進撃の巨人】 never ending dream R18
第7章 出会い~選択~
サラの手のひらに刃が食い込む。
流れ出した血液は手首を伝い、サラの白いシャツの袖を紅く染めた。
「生存者はお前だけか?
奇行種の群れをたった1人で?」
サラがリヴァイに尋ねる。
刃の力が増す。
それが答えだろう。
サラは、ジャケットの内ポケットからある物を取り出し、リヴァイの足元へと投げつけた。
「ロヴォフの横領に関する証拠書類…そのダミーだ。」
リヴァイの足元にばらまかれた書類は、水たまりに混じる血によって紅く色を変えた。
「てめぇ…知っていたのか?
そこまで知っていて何故、俺達を兵団に入れた?」
刃の力が更に増した。
「1つは、お前達が優れた戦力だからだ。
もう1つは、取引相手のお前達を利用して、ロヴォフに揺さぶりをかけるためだった。
しかし…もうその必要は無い。
本物の書類は今頃、ダリス・ザックレー総統の手元にある。
ロヴォフはもう終わりだ。」
サラの言葉に、リヴァイの表情が歪んでいく。
「くだらない駆け引きに巻き込まれたもんだ…。
てめぇを…殺す。」
リヴァイはサラの手のひらに刃をねじ込む。
冷たい三白眼には、涙が溢れていた。
サラは刃を強く握り締め、ゆっくりと立ち上がる。
サラの血液は刃を伝い、リヴァイの手元をも紅くした。
サラの青い瞳がリヴァイを凝視する。
「現実をよく見ろ!!
お前の目は節穴か!?
お前の力は人類にとって必要なんだ!!」
そう言うとサラは握り締めていた刃を、自ら首もとへと添え当てる。
首筋から血液が流れ出す。
リヴァイの瞳が大きく見開いた。