【進撃の巨人】 never ending dream R18
第7章 出会い~選択~
雨足が徐々に弱まってきた。
サラは霧の向こうへと目をこらす。
いつ奇行種の群れが姿を現すか分からない。
深めに被っていたマントのフードを脱いだ。
「血の臭いだ!!」
ミケが叫ぶ。
「どっちだ!?人か!?巨人か!?」
「どっちもだ!!」
次の瞬間、立ち込めていた霧の質が変わった。
熱く白い蒸気が勢いよく沸き立つ。
むせかえる血の臭いに吐き気がした。
辺り一面には、蒸発を始めた巨人の死骸が数体転がっていた。
何度も何度も斬りつけたのだろう…ただの肉片と化した巨人の残骸もあった。
そしてその傍らには、食い殺された兵士と思われる物も横たわっている…。
その中に、1人佇む男の後ろ姿があった。
右手にのみ剣を持ち、左の拳を強く握り締めている。
背中の紋章は紅く染まり、艶やかな黒髪が生臭い風に揺れていた。
サラは両手に握っていた剣を鞘へ戻すと、馬から飛び降り、男に駆け寄る。
「リヴァイ!!」
その瞬間、リヴァイによってサラの身体が地面へと叩きつけられた。
仰向けで後ろへと倒れ込んだサラは、急いで上体を起こす。
鋭く風を切り、振りかぶられた刃が視界に入った。
サラはその刃を手で受け止める。
首の真横で受け止められた刃は、サラの手のひらを血で溢れさせた。
リヴァイの前髪から、巨人の返り血と雨が滴り落ちている。
そこから覗く瞳は、青白く不気味に見えた。
「サラ!!」
ミケが馬から飛び降り、リヴァイに向け剣を抜いた。
「来るな!!」
そう叫んだのはサラだった。