【進撃の巨人】 never ending dream R18
第25章 永久に碧く~交差~
「くそっ、また負けたよ。」
ロイがため息をつきながら、大きく伸びをする。
隣に座り、パンを頬張りながら勝負の行方を見届けていたハンジと私は、顔を見合わせながらクスクスと笑った。
12歳の私にとって、年上の15歳である3人はどこか大人びており、今まで感じた事のない独特な緊張感を覚えた。
しかし、そんな緊張感も時間が経つにつれ、心安らぐものへと変わっていた。
気取らずに、遠慮のない物言いがどこか面白いハンジ。
優しい口調で穏やかに微笑むロイ。
視線を交えようとしてはくれないが、どこか柔らかい雰囲気をまとったミケ。
3人と過ごす時間は、私にとって、とても心地の良いものとなっていた。
「なぁ、サラ。
どうやったら、ミケに勝てると思う?」
パンを食べ終えた私に、ロイは悔しそうに問い掛けた。
チェスをした事の無い私が、ミケに勝てる方法など分かるはずもないのだが、あまりにも真剣な眼差しを向けるロイの言葉に、私は何とか応えようと頭をひねる。
その瞬間、ふと、ある“方法”が頭に浮かんだ。