【進撃の巨人】 never ending dream R18
第25章 永久に碧く~交差~
食堂のドアを開けたハンジは、「やぁ、何してるんだい?」と、大きな声を上げた。
それは私にではなく、食堂の中にいる人物へと向けられた言葉だ。
私はハンジの後ろに隠れるように、中へと入る。
食堂の奥にはテーブルを挟んで向かい合った、2人の男子兵士の姿があった。
「こんな所で何してるんだい?」
そう2人へと歩みよるハンジに、男子兵士の1人が優しく微笑む。
「ミケが、兵舎の部屋は騒がしくて落ち着かないって言うんだ。
こうして部屋を抜け出すのに付き合ってあげたのに…さっきから全く“勝ち”を譲ってくれないんだよ。」
栗色の髪をした細身の男子兵士は、ため息混じりにそう言うと、テーブルに置かれたチェス盤を指差した。
「大人気ないなぁ、ミケは。
たまにはロイにも勝たせてあげなよ。」
「駄目だ。
お互い、本気でなければ意味が無い。
勝負とはそういうものだ。」
呆れたようなハンジの言葉に、ミケと呼ばれた大柄の男子兵士は、腕を組みながらそう答える。
目の前で繰り広げられる親しげな3人の会話を、私は少し離れた所からただ眺めていた。