【進撃の巨人】 never ending dream R18
第24章 エルヴィン・スミス①
俺達は誓い合った。
3ヶ月後に行われる壁外調査から、無事帰還する事が出来たならば…結婚しようと。
そして、会えない日には互いを想い、月を見上げようと。
例え雲に隠れていようとも、消えてしまいそうな儚い光であったとしても、必ずそこに在り続ける月を、互いの姿に重ね合わせ、見上げようと。
半年後、俺達はシガンシナ区にある小さな教会で、ふたりだけの式を挙げた。
サユリの強い希望もあり、俺達はシガンシナ区の林側に建つ小さな家を借りた。
壁外に一番近い場所で、俺の無事を祈りたいと、サユリは言っていた。
しかし、ウォール・ローゼ内にある調査兵団本部で暮らす俺が、シガンシナ区の家に帰れるのは月に1度きり。
たくさんの料理を作り、テーブルには黄色い花と葡萄酒を用意し、俺の帰りを待っていてくれるサユリが不憫でならなかった。
そんなサユリに、俺は何をしてあげられるだろう。
俺は考えた。
俺がサユリにしてあげられる数少ない事…。
それは…
子供をつくる事…それ以外は考えられなかった。
俺のいない毎日が、幸せで溢れるように。
例え、俺の命が壁外で尽きてしまおうとも、俺の生きた証を、サユリの元へ残せるように。