【進撃の巨人】 never ending dream R18
第24章 エルヴィン・スミス①
サユリの言葉に、俺はただうなずく事しか出来なかった。
サユリの深い深い愛に包まれ、俺は自分の不甲斐なさを恥じる。
サユリは“ただ不器用なだけ”と言ってくれたが、こんなにも俺の事を想ってくれる女を手離そうとしていたのだから、やはり俺は愚かな男だ。
「ふたりの事なのに…おひとりで答えを出そうとしないで下さい。」
サユリのつぶらな黒い瞳には涙が溢れていた。
俺はサユリの唇にそっと口付ける。
初めてのキス。
ほんの一瞬のキス。
柔らかなサユリの唇からは、わずかに砂糖の味がした。
「…甘い。」
「先ほど…あなたから頂いたビスケットの味です。」
そう微笑むサユリの瞳からは、涙がこぼれ落ちた。
俺はその涙を指ですくい上げると、再び唇を重ねる。
甘いビスケットの味と、サユリの涙。
もう二度と離すまいと、俺は何度もサユリにキスをした。