【進撃の巨人】 never ending dream R18
第24章 エルヴィン・スミス①
「あなたは、“不甲斐ない男”などではありません。」
寂しげな表情を浮かべながら俺の話を聞いていたサユリは、突然、強い口調でそう言った。
凛とした強い眼差し。
その眼差しから逃れるように、俺は思わず目をそらしてしまう。
俺は…これ以上、サユリを好きになってはいけないんだ。
そんな想いが、俺の頭の中を駆け巡る。
しかし、そんな俺の手を…サユリは強く握り締めた。
「あなたは…ただ“不器用”なだけです。」
予想だにしていなかったサユリの言葉に驚き、俺は「不器用…?」と聞き返す。
サユリは俺の顔を見つめながら、ふふっと温かな笑みをこぼした。
「不器用でも、優しいあなたは素敵です。」
まるで…心で俺を抱き締めるような、その優しく穏やかな物言い。
笑う時に首を傾ける仕草。
サユリを彩る全てに、俺は胸の高鳴りを抑える事など…もう出来なかった。