• テキストサイズ

【進撃の巨人】 never ending dream R18

第24章 エルヴィン・スミス①


彼女は詠い終えると、空高く昇る半輪の月を見上げた。





美しい横顔。





その横顔に、俺は深い安堵を覚える。



脚の傷は病んでなどいなかった。



ましてや狼に襲われたわけではない。





彼女がこうして無事でいてくれた。





何よりもそれが嬉しかった。





「…もし良ければ、もっと聴かせてくれないか?」



俺は彼女の横顔に、そう声をかけた。





彼女がゆっくりと振り返る。





“幻”のように美しいが、決して“幻”などではない。



俺の目の前に、確かに彼女は立っている。



俺の顔からは思わず、笑みがこぼれた。





しかし、彼女はそんな俺に、深々と頭を下げた。





「約束を破ってしまい、申し訳ありませんでした。」





俺は慌てて「いや…いいんだ。」と、彼女に顔を上げるよう促す。





しかし、彼女はなかなか顔を上げようとはしてくれない。





「君が無事であったのなら良いんだ。

狼に食べられてしまったのではないかと、心配していたんだ。」





その言葉に、彼女は目を丸くさせながら顔を上げた。



そして…



「あなたは…やっぱり不思議な人ですね。」



そう言いながら、ふふっと彼女は笑ってくれた。






/ 841ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp