【進撃の巨人】 never ending dream R18
第24章 エルヴィン・スミス①
次の日も、その次の日も…俺は湖へと通い続けた。
消灯時間の過ぎた兵舎を抜け出し、空が明るくなり始めた頃、部屋に戻る。
もしかしたら、彼女は約束の日時を忘れてしまったのかもしれない。
きっと、今日こそは来てくれるに違いない。
そんな淡い期待を胸に、山道を歩く。
それと同時に、脚の傷が病んでいるのではないのか。
もしかすると、狼に襲われたのではないだろうか。
そんな不安が頭をよぎっていた。
もう一度だけでいい、彼女に会いたい。
俺の心に芽生えた彼女への想いは、日を増すごとに強くなっていた。
彼女の事を忘れた日はない。
彼女の夢を見ない日はない。
名前も知らない…愛しい人。
そんな彼女への想いを胸に、俺は毎晩、空高く昇る月を見つめていた。