【進撃の巨人】 never ending dream R18
第24章 エルヴィン・スミス①
1週間後、彼女が姿を現す事はなかった。
俺は湖のほとりに腰を下ろし、彼女が来るのを待ち続けた。
“女性は甘い物が好きだ。”と、以前誰かが言っていた事を思い出し、俺はズボンのポケットに甘いビスケットを忍ばせていた。
彼女に会ったら何を話そう。
毎日の訓練の事。
兵団内での生活の事。
好きな食べ物から、子供の頃に夢中になった絵本の話…。
あまり女性と話した事がない俺は、この日のため、様々な話題を考えていた。
そして、今度は必ず彼女の名前を聞こう。
彼女の事がもっと知りたい。
俺は、そう思っていた。
しかし、彼女は来なかった。
水面に映る夜空を見ながら、俺はずっと彼女の事を考えていた。
もう一度、彼女に会いたい。
優しく頬を撫でる風に、彼女の手の温もりを思い出した。