【進撃の巨人】 never ending dream R18
第24章 エルヴィン・スミス①
俺達は約束を交わした。
1週間後の同じ時刻、またここで会おうと。
彼女は少し戸惑った表情を浮かべたが、「はい。」と、恥ずかしそうにうなずいてくれた。
彼女が反対側の山道を下っていく姿を見届けた後、俺は訓練兵団の兵舎へと戻った。
酒の酔いなど、とっくにさめていた。
部屋へ入ると、他の兵士達がベッドで寝息をたてる中、ナイルだけが俺の帰りを待っていてくれた。
「どこまで行っていたんだ?」と尋ねるナイルに、俺は「ちょっとそこまでだ。」と返す。
あきれたように笑うナイルに、俺はこう言った。
「俺もマリーに惚れていた。」と。
「あぁ、知っていたよ。」と、返すナイルに、俺はそっと手を差し出す。
「君との生活も、あとわずかだな。」
「あぁ。」と、ナイルも手を差し出した。
この日俺達は、お互いの選択した未来へ向けて、固い固い握手を交わした。