【進撃の巨人】 never ending dream R18
第23章 咽び泣く~決意~●
「今はただ…こうして離れている間も、妻の心にしっかりと寄り添っていたいと、そう思うんです。
昨日の夜、リヴァイ兵長のご助言が無ければ、俺は今も妻の苦しみに気付かぬまま、妻を愛している“つもり”でいつづけていたのでしょう…。
兵長には…本当に感謝しています。」
「…リヴァイが?」
「はい。
妻が体調を崩している事は、誰にも話していなかったはずなんですが…。
昨日の夜、突然兵長から妻の元へ帰るように言われたんです。」
その後に続くエルドの話は、サラにとって妙なくすぐったさがあった。
昨夜、リヴァイがエルドに言ったという言葉。
その言葉に、サラの顔からは「リヴァイがそんな事を言っていたのか?」と、思わず笑いが漏れる。
そんなサラを見て、エルドも「意外でしたか?」と穏やかな笑みをこぼした。
「兵長は、神経質で粗暴で近寄りがたいと思われがちですが、本当は純粋で繊細で…とても情の深い方です。
底知れぬ強さの中に優しさがある。
だからこそ、俺達リヴァイ班は何の迷いもなく、兵長に命を預ける事が出来るんです。
ただ…少し“やきもちやき”みたいですが…。」
「君はリヴァイの事をよく知っているんだな。」
「はい。
調査兵団に入り、兵長に仕えるようになってもう5年です。
いつもお側で見ていましたから。
その強さを、その優しさを。
そして…団長である貴女に想いをよせる姿を。」
「…え?」
「兵長と団長が恋人関係である事は、リヴァイ班の者であれば気付きますよ。
昨日の夜、団長がこちらへいらした事を兵長に報告したのは俺です。
団長は、エレンの様子を見に来ただけとおっしゃっていましたが、どうしても兵長との時間を持っていただきたかったんです。
それは…昨日の兵長の言葉が、俺には“団長に会いたい”と言っているように聞こえたんで…。」