【進撃の巨人】 never ending dream R18
第23章 咽び泣く~決意~●
「出過ぎた真似をして申し訳ありませんでした。」と、再び頭を下げるエルドに礼を言い、サラは古城を後にした。
これから数日間、リヴァイ班への待機命令は続く。
その間、夕方から次の日の早朝までという条件で、サラはエルドの一時帰宅を認めた。
それは、エルドから聞かされたリヴァイの言葉に感銘を受けての事ではなく、どちらかと言えば調査兵の父を持つ娘としての思いからだった。
サラは調査兵団本部へ向け、馬を走らせる。
今日こそは、ミケとハンジに次回の壁外調査の方針を話さなければと、思わず手綱を持つ手にも力が入る。
もしかすると、次回の壁外調査では部隊の大部分を失う事になるかもしれない。
訓練兵時代から信頼を置いてきた2人の意見が、どうしても聞きたかった。
ふと、穏やかな日差しを感じ、サラは空を見上げた。
どこまでも澄んだ青空の中、心地よい風が吹いている。
そんな春を思わせる秋晴れの空に、サラは先ほどエルドから聞かされたリヴァイの言葉を思い出した。
“俺達は兵士だ。
今日会えた奴に、明日も会えるという保証は無い。
当たり前だと思っている事も、当たり前だとは限らねぇんだ。
だったら、会える時に会いに行け。
お前はいつも“妻を愛している。”と言っているが、その“愛している”の言葉さえも、言えなくなる日が来ちまうかもしれねぇんだぞ。”
強引で嫉妬深くて…純粋で繊細。
情が深く、そして…誰よりも強い。
「これで、女を優しく抱く事が出来るのなら、完璧な男なんだけどな…。」
わずかに残る腰のだるさを感じながら、サラはそうつぶやいた。
【咽び泣く~決意~】おわり
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