第23章 咽び泣く～決意～●

「…父さんが、調査兵を志したのは…そのせいなの？」



私はそう父へと問い掛けた。





「そうだな…。

王政を憎み、自分の過ちを憎み…いつの間にか父の仮説は俺の中で真実となり、俺の人生の使命は、父の仮説を証明する事となった…。



壁の外には確かに、父の仮説を証明するであろう“何か”がある。



真実を知りたければ、探しに行く…それが、調査兵団だ。」





そう話す父の言葉に、私は思わず身震いがした。





それは王政や巨人に対する恐怖ではなく、壁外に対する希望…。





この狭く息苦しい壁の向こうに広がる未知の世界。



祖父が父に語ったという“仮説”。



その答えはきっと壁の外にある。



そしてそれは、人類にとって大きな意味を持つ。





壁外不干渉をつらぬく王政により処刑された祖父と母。



壁外で巨人に食い殺されたクレア。



ただ、泣く事しか出来なかった自分。





強くなりたい。



強くなって守りたい。





強くなりたい。



もう、誰も死なないように。





「父さん…私、女学校には行かない。」