【進撃の巨人】 never ending dream R18
第23章 咽び泣く~決意~●
「しかし…なぜ、父がこの話を教室で話さなかったのかを察せられるほど、俺は賢くなかった…。
俺が街の子供達に父の話をし、その詳細を憲兵団に尋ねられた日、父は家には帰って来ず…遠く離れた街で事故に遭って死んだ。
俺の密告により、父は王政に殺されたんだ…。」
そう話す父の声はひどくかすれていた。
明かりのない格技場の中、父の表情を読み取る事は出来ないが、窓から入り込む星の光が、わずかにうつむく父の姿を照らしている。
私はただ…そんな父を見つめる事しか出来なかった。
「…子供の頃からずっと考えていた。
なぜ父は“真実”に近付いただけで、死ななければならなかったのか…。
“王政の役人”にも、彼らなりの正義があるはずだと。
しかし、こうして調査兵団の一分隊長となり、彼らについて分かった事は一つ。
彼らが守りたいものは、人類ではなく、彼らの庭付きの家と地位だけだという事。
むしろ、自分達の権利が脅かされるのならば、その相手が巨人ではなく人間であっても、区別なく排除する…。
やはり、父の死に正当性は微塵も無かった。
父は…人の持つ欲と、愚かな息子によって殺されたんだ。」