【進撃の巨人】 never ending dream R18
第23章 咽び泣く~決意~●
「父は俺の質問にはまともに答える事はなく、そのまま授業を終了した。
しかし…家に帰った後で父は、俺の質問に答えたんだ。
“王政の配布する歴史書には、数多くの謎と矛盾が存在する。”と。
そもそも、文献などが残っていなくとも、壁に入って来た世代が、その子供へと歴史を語り継ぐ事が出来るはず。
むしろ完全に口をつぐんでしまい、次世代に外の世界の情報を残さない事のほうが、本来は不可能に近い。
そして、父はこう考えた…。」
その後に続く話は…子供ながらにも突拍子がないと感じた。
しかし、先ほどまで頬を流れていた私の涙はいつの間にか止まっていた。
初めて耳にする祖父の話。
そして、そんな祖父が幼い父に話したという、ある“仮説”。
“今から94年前、この壁に逃げ込んだ当時の人類は、王によって統治しやすいように、記憶を改ざんされた。”
そんな馬鹿げた話があるだろうかと私は思った。
しかし、気が付けば私は父の話に強く引き込まれていた。