【進撃の巨人】 never ending dream R18
第23章 咽び泣く~決意~●
「そうだな…、父さんが子供の頃の話をしよう。」
そう言いうと父は、いつものように抑揚の無い声でゆっくりと語りだした。
幼い頃、毎晩寝る前に絵本を読んでくれていた父。
父の温かい膝の上、私はそんな幼い頃を思い出していた。
「お前の祖父にあたる、俺の父は教員だった。
父は俺の育った地域の教室を担当していたため、俺は父の教室で学んでいたんだ。
ある日のその教室で、俺の人生は決定づけられることとなる。
その日は歴史を学んでいた。
人類がこの壁に追い詰められていく経緯について…。
お前も本で読んだ事があるだろう?
この壁に人類が逃げ込んだ際、それまでの歴史を記すような物は何一つ残す事が出来なかった事。
人類の大半は失われ、住み処はわずかにしか無くなってしまったが、争いの絶えなかった時代とは決別できた事。
我々はこの壁の中で、理想の世界を手にした事。
そこで俺はある事を疑問に思い、父に質問したんだ。」