【進撃の巨人】 never ending dream R18
第23章 咽び泣く~決意~●
涙に濡れ、カタカタと震える私の身体が、父の温かい大きな腕によって、突然フワリと持ち上げられた。
「…父…さん?」
驚く私の頭をそっと撫でると、父はそのまま立ち上がり、壁際に向かって歩き出す。
父が一体何をしようとしているのか分からずに、私はただ父の首もとへとしがみついた。
父は壁にもたれるように腰を下ろし、膝の上へと私を座らせる。
5年振りに座る父の膝の上。
12歳の私にとってはそれがとても恥ずかしく、急いで膝から降りようとした。
しかしそんな私を、父は優しく抱き締めてくれた。
「…サラ、父さんと少し話しをしよう。」
父はそう言いながら、私の頬を両手で包み込み、こぼれる涙をそっと拭う。
辺りはすでに日が落ち、格技場の小さな窓から入り込む星の光だけが、わずかに父の顔を照らしていた。