【進撃の巨人】 never ending dream R18
第23章 咽び泣く~決意~●
冷たい床に頬を付け、流れ落ちる涙を拭う事さえ出来ない私は、窓から見える朱色の空を、ただ見つめていた。
明日から私は…クレアのいない世界を生きなくてはならない。
何て…残酷なのだろう。
「…クレア。」
瞳を閉じ、もう二度と応えてくれる事のないクレアの名前をつぶやいた、その時だった。
ギィと大きな音を立て、格技場の重たい扉が開いた。
起き上がる事すら出来ない私は、何とか視線だけを扉の方へと向ける。
大きく開いた扉から差し込む朱色の光。
美しすぎるその光を背中に受け、立っていたのは…翠色のマントをまとった父だった。
突然姿を現した父に驚き、身体を起こそうと試みるが、どうしてだろうか…全く力が入らない。
「…父…さん…。」
そう、つぶやくのが精一杯だった。
私はそっと瞳を閉じ、溢れ出る涙の冷たさを頬に受ける。
父さん、ごめんなさい。
私は父さんの愛する人を…傷付けてしまいました。
このまま消えてしまいたい。
そんな私の願いが届いたのか…激しい耳鳴りとともに、私の意識は徐々に遠のいていった。