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【進撃の巨人】 never ending dream R18

第23章 咽び泣く~決意~●


格技場の重たい扉を開け、中へと入る。



やはりそこは昼間だというのに薄暗く、ひんやりと冷たい空気が不気味に漂っていた。



私は格技場の中央へ座り、古めかしい袋から刀を取り出す。



カタカタと震える手に、一粒の涙がポツリと落ちた。





ごめんね、クレア。



痛かったよね、クレア。





刀を構え、心に湧き起こるクレアへの想いを刀身に込める。





大好きなクレア。



私のお姫様。



私が王子様だったら…



クレアを守れたのに。





こぼれ落ちる涙の粒を払うかのように、私は何度も何度も刀を振り下し、同じ舞を繰り返した。



手は震え、喉はつまり、脚は痺れだす。



そんな身体の痛みよりも、心は激しい苦痛に襲われる。





ごめんね、クレア。



私が今よりも強かったら…



クレアはきっと死ななかった…。





重たい刀を持ち上げる力など、私にはもう残されていなかった。



ガシャンッと音を立て、手の中から滑り落ちる刀。



私はそのまま膝を付き、床へと倒れ込む。



心はとうに限界をむかえていた。





「…っうぁあああああああ!!!」





喉をえぐられたような叫び声が、格技場の中に響き渡った。




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