【進撃の巨人】 never ending dream R18
第23章 咽び泣く~決意~●
床に座り、ベッドへ顔を伏せたまますすり泣くその後ろ姿。
彼女がもたれかかるクレアのベッドには、黒く変色した血で染まった、キャメル色のジャケットが広げてあった。
「…メラニー?」
振るえる後ろ姿に、私はそう呼びかける。
茫然自失とは正にこの事なのだろう。
目の前に現れたあまりにも残酷な結果に、私の脳は一時、思考を停止したのだと思う。
「…出ていってよ。
今は…あんたの顔なんか見たくないの…。」
メラニーはこちらを振り返る事無く、声を震わせながらそう言った。
一体、何が起こったのか…。
目の前の現状を認識する事が出来ず、私はただドアの前に立ちつくす事しか出来ない。
脚が…動かない…。
そんな私へと、メラニーはクレアのベッドに置いてあった読みかけの本を投げつける。
「…いいから、出ていきなさいよ!!」
メラニーの投げた本は、私の頬をかすめ、壁へとぶつかった。
床に落ちた本の隙間からは、クレアが大切に育てていた花の押し花が落ちる。
黄色い花弁の小さな花。
“サラちゃん、花は好き?”
優しく微笑むクレアの声が、聞こえたような気がした。