【進撃の巨人】 never ending dream R18
第23章 咽び泣く~決意~●
溢れ出る涙を拳で拭う。
女子棟の部屋までの道のりが、とても長く感じた。
廊下を駆け抜け、部屋の前で立ち止まる。
もし、ここにクレアがいなければ…
…生存は絶望的。
心は悲鳴を上げ、今にも倒れてしまいそうなほどだ。
しかし、確かめずにはいられない。
どうしても、クレアには伝えたい事がある。
“クレアを傷付けてしまってごめんなさい。”
そして…
“私は、クレアを許すよ。
許す事も、許さない事も、どちらも辛いから…
私は、クレアを許すよ。”
私は深呼吸をし、目をつぶったまま勢いよくドアを開けた。
“答え”は目の前にあるはずなのに、私はなかなか目を開ける事が出来なかった。
もし、クレアがいなければ…。
そう考えただけで胸がきつく締め付けられ、吐き気すら感じた。
目を開けるんだ、しっかり自分の目で確かめるんだ。
そう思った瞬間、部屋の中にわずかに人の気配を感じ、私は大きく目を見開いた。
淡い期待に心を震わせる私の視線の先に映った物…それは、自由の翼をまとったひとりの女性の背中だった。