【進撃の巨人】 never ending dream R18
第22章 咽び泣く~違和感~
「もう、ほっときなさいよ!!」
メラニーに腕を引かれ、クレアは部屋を出ていった。
「サラちゃん…元気でね。」
ドアの閉まる音と、かすかに聞こえたクレアの涙声…。
私はそれを、生涯忘れる事はないと思う。
兵舎の外からは、壁外調査へと向かう兵士達の声が聞こえてきた。
私は毛布にくるまったまま、ヒリヒリと痛む頬を押さえ、溢れ出る涙を必死で拭う。
窓の外が徐々に明るくなっていく。
あと数分もすれば、クレアは父やキース、メラニーとともに壁外へ向け、ここを発つだろう。
胸が張り裂けそうに痛み、激しい後悔と絶望の波が私の心を襲う。
大好きなクレア。
可愛らしい声で笑うクレア。
私の絵を褒めてくれた優しいクレア。
私の髪を結わえてくれたクレア。
あの時…私がどうしてもクレアを許せないと思ってしまった理由。
それは…
私がもし、父とクレアの行為を許してしまったら…愛する母を裏切るような気がしてしまったからだった。