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【進撃の巨人】 never ending dream R18

第22章 咽び泣く~違和感~


その日、女子棟の部屋へ戻ると、不安げな表情を浮かべたクレアが私の帰りを待ち構えていた。



「サラちゃん、どこへ行ってたの?
遅かったじゃない。」



そう言いながら近付くクレアを避け、私はベッドに潜り込む。



一体どんな顔をして、クレアに会えというのだろうか。



私はクレアと視線を合わせる事が出来ず、頭から毛布にくるまり、眠ったふりを続けた。





「具合いでも悪いの?」



クレアの手が、毛布を被った私の頭を優しく撫でる。





父の身体へと触れた手。



父の身体を愛撫した手。



心が…苦しいと悲鳴をあげる…。





「汚い手で触らないでよ!!」



そう怒鳴り散らす私に、クレアは「…ごめんね。」とだけ言うと、それ以上何も聞いてくる事はなかった。





2年前のあの日。



ふたりでケーキを作ったあの日。



廊下ですれ違った父の身体から、甘いバニラ砂糖の香りがしたあの日。



2年前のあの日から、私の心の中に芽生えたクレアへの“違和感”。



そんなクレアへの“違和感”は、この日を境に、まるで汚いものが入り込んでいるかのような“異物感”へと変わってしまった。





数日後…間近に迫った壁外調査へ、クレアが急遽導入される事が決まった。



脚を引きずり、走る事すらままならないクレアは、私がこの調査兵団本部で暮らすようになった7年前から、一度も壁外へ行く事が無かった。



そんなクレアが、一体なぜ選抜されてしまったのだろうか。





私はクレアとまともな会話をする事なく、その日を迎える事となった…。





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