【進撃の巨人】 never ending dream R18
第22章 咽び泣く~違和感~
「どうしたんだ…サラ?」
団長室には、わずかなランプの明かりの中、机の上の書類へと向かうキースの姿があった。
「…キース…団長っ…。」
苦しそうに泣きじゃくる私を見るなり、キースは慌てた様子で駆け寄ると、私の肩を抱きながら困惑した表情を浮かべた。
「一体…何があったんだ?」
傷だらけの大きな手が、私の涙を拭う。
ひどく動揺した様子のキースへ、私は声を詰まらせながら訴えた。
「…父さ…んが…父さん…が…。」
「エルヴィンが、どうしたんだ?」
「…父さんが…クレアと…
クレアと…
クレアとベッドで…」
そこまで言うと、キースはハッと目を見開き、私の肩を強く掴んだ。
「…見たのか?」
キースの問い掛けに、私はただコクリとうなずく事しか出来なかった。
激しい眩暈に襲われ、立つ事さえ出来なくなってしまった私は、キースの腕に抱きかかえられ、そのまま壁際のソファーへと寝かされた。
「…エルヴィンは、悪い父親だ。」
キースの温かい腕の中、かすかに聞こえたその言葉。
その言葉に…私は大粒の涙をこぼしながら、深くうなずいた。