【進撃の巨人】 never ending dream R18
第22章 咽び泣く~違和感~
互いのジャケットを脱がし、ベルトを外す。
こうしてふたりが唇を重ね、互いの身体を求め合うのは、これが初めての事ではないのだろう。
2年前のあの日。
廊下ですれ違った父の身体から、甘いクレアの香りがしたあの日。
あの日も、こうしてふたりは、この部屋で身体を重ねていた…。
徐々に露わになっていくふたりの肌。
父の指先がクレアの身体をなぞる度、クレアは甘い声を吐きながら、そっと身体をよじらせた。
思わず顔を背けたくなるような、その光景。
私は耳を塞ぎ、固く目をつぶる。
蒸し暑い初夏の昼下がり。
私の身体からはジワリと汗が滲み出し、生暖かい粒が、背中をはうようにして下へと落ちる。
木製のベッドがギシギシと軋む音が聞こえた。
それをかき消すかのように、私の心臓はドクンドクンと大きな音を鳴らし続ける。
涙が頬を伝う。
狭い狭いクローゼットの中、むせび泣く私の足元には、母の形見である刀が転がっていた。