• テキストサイズ

【進撃の巨人】 never ending dream R18

第22章 咽び泣く~違和感~


艶やかな栗色の髪を撫でながら、父は何度もクレアの唇へとキスを落とす。



それは、徐々に濃厚な口づけへと変わり、瞳を閉じるクレアの唇からは、時おりため息にも似た、甘い声が漏れ出していた。





「…エルヴィン…。」



父の名前を呼び、父の首へと腕を回すクレアの表情は、いつも私に向けられているものとは違い、女性らしい柔らかな表情であった。



そんなクレアを優しく包み込むような父の顔もまた、今まで私が見てきた仮面を被ったような表情ではない。





私の知らない、“ふたり”の姿…。





父の大きな手が、クレアのシャツのボタンを外し始めた頃、私の心臓はドクンドクンと大きな音を鳴らしながら、目の前で繰り広げられる光景に悲鳴を上げるかのように、ドロドロとしたドス黒い感情を生み出していた。





「…もうすぐ、トージ君が帰って来ます…。」



シャツのボタンを外す父の手を、クレアの細長い指先が優しく拒む。



「…トージは、友人の家へ寄ると言っていた。
夕方までは戻らないだろう…。」



父はそう言うと、クレアの手を握り返し、首筋へと優しいキスをした。



「…もし、サラちゃんが…」



「クレア…俺は“今”君を抱きたいんだ。」





追い詰められたような…余裕の無い表情を浮かべる父。





そんな父の心を、身体を…受け入れるかのように、クレアは潤んだ瞳をそっと閉じた。




/ 841ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp