【進撃の巨人】 never ending dream R18
第22章 咽び泣く~違和感~
「…お疲れのようですね。」
「いや…、君の顔を見たら疲れなど吹き飛んでしまったよ…。」
クレアの手を両手で包み込みながら、父はため息混じりにそうつぶやく。
うつむきながら、ただクレアの手を握り締め続ける父。
“疲れなど吹き飛んでしまった”という言葉が嘘である事など、誰が見ても分かるだろう。
そんな見え透いた嘘をつく父へと、クレアは優しく微笑んだ。
「…少し、お休みになられてはいかがですか?」
深くうなだれる父へと、クレアがそう言葉を掛けた、その時だった。
クレアの華奢な身体を、父の腕が強く抱き寄せた。
強く強く…クレアを抱き締める父。
桃色のクレアの頬が、先ほどよりもふわりと赤みを増していた。
「クレア…君が一緒に眠ってくれるのならば少し休むよ。」
「エルヴィン分隊長…私は、お手紙をお届けに上がっただけですので…。」
「…あぁ、すまない。
君にはいつも感謝している。
だが…このまま君を離したくはないんだ。」
「…エルヴィン分隊長?」
「…“エルヴィン”で構わないといつも言っているだろう。」
父は…きつく抱き締めていたクレアの身体をベッドへと押し倒す。
戸惑いを見せるクレアの紅潮した唇へと…父は上から覆い被さるように、そっと優しくキスを落とした。