【進撃の巨人】 never ending dream R18
第22章 咽び泣く~違和感~
2年前のあの日から、私の心の中に芽生え始めたクレアへの“違和感”。
ふたりでケーキを作ったあの日、袖についたクリームを恥ずかしそうに拭き取るクレアの服からは、甘い甘いバニラ砂糖の香りがしていた。
その数時間後、廊下ですれ違った父の身体からも、甘いバニラ砂糖の香りがした。
父の身体からクレアの香りがした理由…。
気のせいかもしれないと、私は知らないふりを続けていたが、時間が経つにつれ、クレアへの“違和感”は増すばかりだった。
「サラちゃん、もう終わったよ。」
色とりどりの花が咲く花壇の前、クレアはおもむろに立ち上がると、ズボンの膝についた土をそっと手で払った。
細長い綺麗な指先。
白く透き通るような肌が日差しに映える。
私の心の中にある“違和感”。
それが“確信”へと変わったのは、それから数日後の事だった。