【進撃の巨人】 never ending dream R18
第5章 出会い~計画~
訓練所へ着くと、辺りは既に明るかった。
しかし、昨晩の冷え込みのせいもあってか霧が立ち込めている。
いつもとは違う神秘的な風景に、また心を奪われた。
地面には役目を終えた無数の落ち葉が積もっている。
この季節を感じられるのもあと僅かだと…リヴァイは剣を抜き、大きく息を吸った。
ふと、霧に包まれた木々の間に人影が見えた。
それはだんだんとこちらへ近づいて来る。
こんな早朝に訓練をする者が自分意外にもいるのかと、リヴァイは不思議に思い人影に目をこらした。
立体機動のなめらかな動き。
激しく剣を斬り込んだかと思えば、静かに昇降する。
その静と動が入り混じった身のこなしは、思わず息をのむ美しさであった。
そして、不思議な事にガスの噴出音がほとんどしなかった。
遠心力を使い移動し、静かに近づく人影…。
リヴァイは思い出す。
地下街でサラに拘束された日の事を。
音も無く自分の頭上に現れたサラを…。
霧の中の人物が間近に迫る。
リヴァイは右手に持った剣を逆手に持ち替えた。
(殺るなら今しかねぇ。…サラ・スミス。)