第5章 出会い～計画～

霧の中から黒髪の女が現れた。
両手に剣を握り、青い瞳にリヴァイを映す…それは間違いなくサラであった。



（殺してやる。）

リヴァイがサラに向け、剣を構えた瞬間だった。



青い瞳がリヴァイからそらされた。



サラは両手に握っていた剣の刃を鞘に納める。
木に打ち込まれていたアンカーを回収し、身体を降下させた。

リヴァイの前に降り立ったサラは、立体機動装置の操作グリップをも胸元のホルダーに収納した。



剣を向けられたにもかかわらず、自分に対し全く戦意の無いサラに、リヴァイは困惑し踏み込む事が出来ずにいた。



全てを見透かした様な青い瞳が再びリヴァイに向けられる。

リヴァイはサラに向けた剣をゆっくりと下ろした。



「次回の壁外調査が決まった。
もちろん、君達にも参加してもらう。
新兵が最初の壁外調査で、死亡する確率は5割だ。

ここで君と血を流す訳にはいかないんだよ。」

サラはそう言うと、何事も無かったかのようにリヴァイの横を通り過ぎていった。



去っていくサラの後ろ姿をリヴァイは見つめる。
揺れる長い黒髪が、霧の中へと消えて行く。



背後から一瞬で首を掻き切る事も可能だった。
しかし…リヴァイはどうしてもそんな気にはなれなかった。





【出会い～計画～】おわり



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