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【進撃の巨人】 never ending dream R18

第5章 出会い~計画~


窓の外はまだ薄暗かった。
鳥の鳴き声に、太陽が昇り始めた事を知る。
夜明けがこんなにも美しいものだった事を、リヴァイはここへ来て初めて知った。



2段ベッドの上段では、まだファーランが寝息を立てている。
昨日は遅くまで本を読んでいたのだろう。
リヴァイはファーランを起こさぬよう、静かに立体機動装置のベルトを身体にまとう。



書類を見つけ出し、サラを殺す…それさえ終われば、ここにいる理由は無い。



しかし、肝心な書類はどこにも無かった。



サラの部屋に忍び込み、室内の怪しい場所は全て調べた。
簡単に見つかるとは思っていなかったが、意外な事に無関係の書類はそこらじゅうから出てきた。
しかし、例の書類は見当たらない。



“肌身離さず持っている可能性が高い。”

こうなった以上は早急にサラを殺し、奪う他無い。



リヴァイは兵舎を出ると訓練所へと向かった。



生い茂る木々の中に、巨人の模型が設置されているだけの訓練所。

板で作られた動く事のない巨人。
その巨人のうなじを削ぎながら、木々の間を立体機動装置で移動する…そんな訓練に何の意味があるのだろう。
壁外に行けば全てが予想外だったはずだ。



しかしリヴァイにとって、この場所で過ごす早朝の一時はとても価値のあるものだった。



木々の間を朝日が差し込み、
色付き始めた木の葉が金色に輝く。
その中を立体機動装置で移動する。

冷たい風を頬に感じ、暖かい陽の光を背中に受ける。
調査兵団に入り、唯一“悪くない”と思える瞬間だった。





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