【進撃の巨人】 never ending dream R18
第21章 咽び泣く~戸惑い~●
「明日は、恋人の誕生日なんだ。
きっと心配しているだろうから、元気な顔でも見せに行ってくるよ。」
「…そうなんだ。」
モーゼスに恋人がいた。
“友達”に恋人がいた。
ただ、それだけの事。
それだけの事なのに、どうしてこんなにも、キリキリとした痛みに心臓が悲鳴をあげるのだろうか…。
ケーキの入った紙袋を、私はそっと後ろへ隠した。
「じゃあな、ちびまゆげ。
“子供”は夜更かししないで早く寝ろよ。」
モーゼスは私の頭をポンと撫で、軽やかな足取りで兵舎を後にする。
モーゼスの姿が、暗闇の中へと消えて行く。
いつも見つめていた後ろ姿。
その後ろ姿に…私はきっと、恋をしていたのだと思う。