【進撃の巨人】 never ending dream R18
第21章 咽び泣く~戸惑い~●
「なに泣いてるんだよ、ちびまゆげ。」
いたずらな笑顔を浮かべ、モーゼスは私の頭を両手でクシャクシャと撫でる。
結わえたばかりの髪が乱れていく。
そんな事など気にならないほど、私はモーゼスの温かい手の感触に、ただひたすら涙を流した。
「俺に会えなくて寂しかったのか?」
私の顔を覗き込み、モーゼスは笑いながらそう問い掛ける。
私は涙を止めようと、小さな手で必死に顔を拭うが、もう二度と会えないと思っていたモーゼスの笑顔に、瞳からは涙がとめどなく溢れた。
「モーゼス…。
“友達”なら…
“友達”なら、私をひとりにしないでよ。」
その言葉に、モーゼスは「わかったよ。」とだけ答えると、泣きじゃくる私の頭を、いつまでも撫で続けた。
毎朝、廊下で語らうだけの“友達”。
自分で思っていたよりもずっと、私の中のモーゼスという存在は、とても“居心地の良い”ものになっていたようだ。